MBA受験勉強中に学んだ3つのこと – 自分の意思でキャリアをコントロールする

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前回は、原点に戻って「私がMBAを志した理由」を書いてみました。

記事を書いていて気づいたことがあります。

アメリカでMBAを取得して約1年半が経過した今、改めて振り返ってみると自分の価値観やスキル、将来のキャリアに対する考え方が「別人のように」変わっていました。

MBA留学する前は、まさか2年後の自分がTwitterブログで情報を発信したり、Eコマースやコンサルティングサービスを提供したりするとは考えてもみませんでした。

自分の価値観や行動がこれほど変わったのはどうしてだろう?と考えてみました。私は以下の2つの影響が大きかったのではないかなと思います。

  1. MBA受験勉強で学んだこと・身についた習慣
  2. MBA留学中にクラスメイトや環境から学んだ価値観

今回は前回記事の続編として、「MBA受験勉強中に学んだ3つのこと」をテーマに書いてみようと思います。

MBA受験勉強中の3つの学び

「2018年にMBAスクールに絶対入学する!」と腹を括ったことで、私の約1年半のMBA受験生活が始まったのですが、受験生活の中でも大きな学びがあります。具体的には以下の3つが今でも自分の大きな資産となっています。

① プロジェクトマネジメント力
② 仕事時間以外で自学する「行動習慣」
③ 長期的なキャリアゴールを描く「思考習慣」

具体的にどんな学びだったのかを順を追って紹介したいと思います。

① MBA受験は1000時間のプロジェクトマネジメント

MBA受験勉強中に学んだ3つのこと_プロジェクトマネジメント

海外MBA合格までは、全体を通してスケジューリングが命だと思います。MBA受験のプロセスは一般的に約800~1500時間のプロジェクトマネジメントと言われており、継続するためには毎日の受験生活のイメージを持つことが大切です。

※準備時間に大きく幅があるのは、個人によってTOEFLの目標スコア達成にかかる時間に差があるためです

例えば、AさんはMBA合格まで仮に1000時間かかるとします。

平日1日2時間 + 週末(土日)10時間 = 週20時間

の勉強時間を確保したとします。つまり1ヶ月に直すと月80時間の勉強時間が確保できます。
月80時間勉強すると、どのくらいの期間で1000時間に到達するでしょうか?

1000時間 ÷ 80時間 = 12.5か月

つまり月80時間のペースで勉強を継続した場合、MBA合格までに約1年間かかるという計算になります。

もしこれを半年で達成しようとするとどうなるでしょうか?

平日毎日4時間、週末は土日で20時間(1日10時間)を勉強に充てないといけないことになります。

仕事をしながら毎日これだけの時間を捻出できるかと考えると、恐らく現実的ではないでしょう。逆に2年計画であれば、もっと余裕のあるスケジュールを組むことができることもわかります。

仕事や家庭の状況などにより、勉強に充てられる時間は人それぞれ違ってきますので、自分に合ったスケジュールを組むことが重要になります。

あくまで目安ですが、以下がMBA受験に必要な試験対策や書類準備にかかる時間です。

  • TOEFL/IELTS:約600時間
  • GMAT/GRE:約300時間
  • エッセイ(小論文):約50時間
  • レジュメ(履歴書):約20時間
  • 推薦状(多くの場合2通必要):約10時間
  • インタビュー対策(面接):約20時間

合計1,000時間

MBA受験のスケジュール感や勉強計画等の情報は以下の記事で解説していますので、詳細を知りたい方は参考にしてください。

ちなみに私の場合は、仕事柄プロジェクトや海外出張が多くて忙しく、MBA派遣の社内選考対策等も同時並行でやっていたため、1.5年計画で進行しました。

稀に合格体験記やブログ等で、「TOEFLのスコアを一か月で達成しました!」などのような経験を武勇伝のように語る方もおります。しかし、帰国子女など一部の例外の方を除き、多くの場合は上記のプロセスを辿ることになりますので、腹を括る覚悟は必要です。

したがって、自分にとって無理のないスケジュールを組み、毎日コツコツ積み上げることが一番の近道だと思います。

② 仕事以外で自学する「行動習慣」

MBA受験勉強中に学んだ3つのこと_行動習慣

大前研一さんの名言で、以下の言葉があります。

人が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。
3番目は付き合う人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

本当に考え方を1つ変えるだけで、仕事をしながらのMBA受験も順調にスタートすることができました。(最初にMBAを目指したとき、「決意を新たにする」という私の行為は最も無意味な行為だったということになります笑)

私は1つ目の「時間配分を変える」の対策として、「他己管理」を存分に活用しました。まず予備校に通い、強制的に毎週3~6時間の授業を受けることで勉強のきっかけとリズムを作りました。次に、予習と復習に授業の3倍の時間を掛けて下さいと言われていたので、毎週10時間+αの時間を捻出する必要がありました。そうすると必然的に、平日2時間はどんなに仕事が遅く終わっても自習室やカフェで勉強することが習慣になりました。

時間配分を変えてから気づいたことがあります。私はお盆休みや年末なども予備校の自習室やカフェで勉強していたのですが、周りには思ったよりも多くの人が参考書を読んだり、試験勉強をしていました。「世の中には頑張っている人がたくさんいるんだなぁ」と思い、密かに連帯意識を感じたのを覚えています。

2つ目の「住む場所を変える」については、フランスから日本に帰国した際、会社に通勤しやすい場所に住むことにしました。朝の通勤は始発の駅だったので、電車の中で単語帳やリスニングなど英語の勉強時間が確保できるようになりました。平日は仕事をしながら毎日2時間の勉強時間を確保しなければならない中で、片道20分、往復で40分の勉強時間が確保できたことは大きいです。昼休みも早めにご飯を食べ、20分は勉強時間に充てれば、通勤とお昼だけで1時間の勉強時間を確保できることになります。

仕事が終わった後も早く家に到着することで、自分の時間が確保できるようになりました。落ち着いて仕事の振り返りや翌日の準備もできるようになります。そうして仕事の効率も上がり、更なる勉強時間の確保にもつながるのです。「住む場所を変える」は思っていたよりもインパクトは大きいです。

3つ目の「付き合う人を変える」は、無意味な飲み会を断りました。以前は飲み会のお誘いを断るのが苦手だったのですが、MBA受験を周りに宣言していたので「正当に断る理由」ができ、時間を確保できるようになりました。無意味な飲み会は飲んでいる時間だけでなく、翌日のパフォーマンスにも影響しますので、MBA留学を目指すみなさんには周りに受験を宣言することをオススメします。

予備校に通っていたので、同じMBA留学を目指す仲間と出会えたことも心の支えになりました。クラスで一緒だった人と2次試験のインタビュー対策のコースで再会したり、近況をシェアしたりして勇気づけられたのを覚えています。

これら3つのことを変えることによって何が変わったかと言うと、時間と心の余裕が生まれ、「行動習慣」が身に付きました。思えばMBA受験生時代、平日はほぼ毎日2時間勉強していたのですが、最初はつらいと思っていたことも、一度習慣になってしまえばそれほど苦ではなくなっていました。この「社会人になってからも勉強する習慣」は今でも自分の資産として残っていて、MBAを目指して良かったなと思う大きな理由の1つです。

後から知ったことなのですが、勉強や片付けなどの「行動習慣」は約1カ月、早起きや運動などの「身体習慣」は約3カ月で習慣になるそうです。私は朝が苦手なので夜に勉強をしていたのですが、仕事終わりにどんなに遅くても平日2時間勉強することが苦ではなくなったのは、受験勉強を開始して1~3ヶ月程度だったと思います。

一旦、仕事以外でも勉強する習慣がつくと、MBA後も自分のキャリアをコントロールするために必要な時間を捻出できるようになります。これはMBAを卒業した今が一番有効に活用できていると感じています。

具体的にはベンチャー企業向けにサプライチェーンに関する戦略立案のコンサルティング、社費MBA派遣の社内選考突破のコンサルティングの他、学生向けの就活コーチング・キャリア支援、書籍やブログの執筆、Eコマースの運営をしたりしています。これらの活動の積み重ねが、数年後に自分のキャリアをコントロールするための土台になると考えています。

③ 自分のキャリアの棚卸しと、長期的なキャリアゴールを描く「思考習慣」

MBA留学に必要な書類に「エッセイ(小論文)」を挙げましたが、これは受験書類の中で最も重要と言われる書類の1つです。エッセイではスクール独特の工夫を凝らした質問に答えていく必要がありますが、「なぜあなたにとってMBAが必要か?」「あなたの長期的なゴールは何か?」などは必須の質問になります。

これらの質問に答えるためには、必然的に自分がこれまで経験してきたキャリア(学業・仕事)の棚卸しをする必要があります。そして、自分のキャリアを踏まえた上で、これから自分はどこに向かっていきたいのか、自分のキャリアゴールを論理的に語る必要があるのです。エッセイに説得力を持たせるために、自分の過去と未来のキャリアが「一直線」に繋がっていることが重要になります。

詳細はこの記事では語りませんが、エッセイを書くプロセスは自分の学歴・職歴から全ての重要な実績を洗い出し、文章にまとめていくため3ヶ月程度はかかります。エッセイを書くことでこれまでの自分のキャリアを振り返り、10年先の長期的なゴールを設定する「思考習慣」が自然と身についてくるのです。

ちなみに私はMBA社費留学の際、社内選考でも小論文を書いたので、「Why MBA?」や「Long-term goal」がある程度明確になっており、MBA本番のエッセイもかなり書きやすかったです。

MBA社費留学を目指されている方は、再現可能な攻略法を解説していますので以下の記事を是非ご参照ください。

長期的なキャリアゴールを描く「思考習慣」はMBA卒業後も「自分の意思でキャリアをコントロールする」ために非常に重要な習慣になります。今の自分にはどんなスキル・経験があって、将来のゴールを達成するまでにはあと何が必要なのか?必要な知識・スキルをいつまでに獲得する必要があるのか?これらを総合的に判断し、行動に移し、継続するために重要なのが「思考習慣」です。

私はMBA卒業後もこの思考習慣のおかげで、自分の達成したいキャリアを具体的に文字にする癖がつきました。具体的には、「RBSエクササイズ(Reflected Best Self Exercise)」と「PDP(Personal Development Plan)」の作成で目標を言語化しています。計画は定期的に微修正し、目標達成のために行動に移し、継続する日々を過ごしています。

RBSエクササイズは、簡単に言うと「人は欠点を補うより、強みを更に伸ばした方が成功しやすい」という組織行動学の研究にもとづいた「自分の強みを発見するエクササイズ」です。私はMBAのリーダーシップのクラスで初めて知ったのですが、非常に気づきが多く、今でも自分のキャリア形成にとても役に立っています。詳細は以下の記事で解説していますので、興味がある方はぜひご参照ください。

まとめ:MBA受験勉強中に学んだ3つのこと

MBA受験勉強中に学んだ3つのこと_まとめ

今回は「MBA受験勉強中に学んだこと」について改めて振り返って書きました。冒頭で触れた「MBA留学中にクラスメイトや環境から学んだ価値観」は、またの機会にアウトプットしていこうと思います。

この記事を読んで海外MBA留学について興味を持たれた方は、以下の記事もぜひ目を通してみて下さい。

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【MBA留学】準備スケジュールと社費留学・私費留学の注意点を解説

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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