アメリカのビジネススクール生にとって、企業からインターンシップの内定をもらうことは大きな目標の1つです。なぜなら、企業からフルタイムの採用をもらうための一番の近道は、インターンシップを獲得することだからです。
この記事では、MBA留学を目指している日本人のみなさんが持っている以下のような悩みについてお答えします。
- MBA留学から海外インターンシップを獲得したいが、どのようなステップで進めれば良い?
- MBAからインターンシップに合格するためのポイントは?
- 実際に海外インターンシップから現地就職を獲得した人の体験談を知りたい
この記事を読めば、海外MBA留学から海外インターンシップに合格するまでのステップと、インターンシップを獲得するために何を準備すべきか、ポイントが理解できます。
なぜなら、アメリカのMBAスクールで教えられた就活アドバイスに加えて、米ユニコーン企業から実際にインターンシップを獲得した筆者の経験・ノウハウをもと解説しているからです。ぜひ参考にしてみて下さい!
まずは自己紹介
私は2018年の9月から2年間、アメリカのカリフォルニア州にあるUC San DiegoというビジネススクールにてMBA留学をしました。社費MBA派遣生だったため留学中にお金には困らなかったのですが、せっかく一生に一度のMBA留学なのでアメリカ資本100%の企業で働いてみたい、海外でどこまでやれるのか試してみたい、という野望があり、海外インターンシップ獲得に向けてガムシャラに挑戦しました。
そもそも私がMBA留学を目指した経緯や、留学の目的などは以下の記事に書きました。
MBAスクールに入学してからすぐにインターンシップに応募する準備を始めました。具体的にはレジュメの準備やインターンする会社のリサーチなどです。2018年の9月に入学し、2019年の1月末(約120日間)にアメリカのユニコーン企業* からインターンシップのオファーをもらうことができました。
*ユニコーン企業:GoogleやAppleなどベンチャーからスタートし、企業の評価額が10億ドル以上を達成した企業の総称
合格率は約1.5%(私の応募した「サプライチェーンインターン」の応募者はトータル65人、その中から最終1人に選ばれました)、インターンシップ獲得が最も難しい企業の1つという厳しい条件を突破できたのは、とにかくMBAスクールのキャリアカウンセラーからのアドバイスを忠実に実行し、自分の専門性+αを武器に行動を取り続けた結果だと思います。本記事では、インターン獲得まで私がどのように準備、行動し、合格を勝ち取ったかをこれから海外インターンを目指す方に向けてなるべく再現性が高くなるように解説しました。
ちなみに別記事で詳しく紹介する予定ですが、インターンシップの給与は破格の月収80万円でした。
私が獲得した海外インターンシップのオファー概要
私がカリフォルニア州にて獲得した海外インターンシップのオファー概要は以下の通りです。
オファーの概要
- シリコンバレーのバイオテック企業(NASDAQ上場)
- サプライチェーンの計画系(10-20ヶ月くらい先の在庫計画・生産計画を立てる)の仕事
- オペレーション、サプライチェーンもしくはロジスティクス分野の出身者が要件
- オフィスのロケーションもあり、Stanford、UC Berkeleyなどトップ校出身者が多い
- ビザサポートあり
- 3ヶ月間のサマーインターン、卒業後の本採用オプションあり
私のこれまでのキャリアとの比較
- 業界:化粧品業界 → ライフサイエンス・バイオテック業界(業界チェンジ)
- 職種:営業職/サプライチェーン → 本社のサプライチェーン(ここは変えずに固定)
- ロケーション:日本 → アメリカ(ロケーションチェンジ)
海外サマーインターンシップとは?
北米の一般的なフルタイムMBAは2年間のカリキュラムです。1年目は秋スタートで5月もしくは6月に授業が終わり、そこから3ヶ月ほど夏休みがあります。
MBA生の多くはこの期間にサマーインターンシップをおこない、フルタイム就職に繋げるのが一般的です。今回の私が参加したインターンシップも7月から9月までの3ヶ月間のサマーインターンシップになります。
MBA生にとってこのサマーインターンシップは非常に重要で、私のスクールでは約半数の学生がサマーインターンシップからフルタイム就職しました。現在、アメリカ企業はコロナ後、中途採用よりもサマーインターンシップから本採用に繋げるリクルーティング方法が主流になっています。
私のような社費MBA留学生の多くは通常はインターンをしないのですが、私の場合は前述の理由でアメリカ企業で何が何でもインターンの経験をしたかったので、本気で取り組みました。
海外インターンシップ獲得までの流れ
海外インターンシップ獲得までの流れは業界によって若干異なりますが、多くの場合は「9月にMBAスクールに入学してからすぐ」にプロセスが始まります。以下、まずはインターンシップ獲得までの流れとスケジュール紹介します。
- レジュメを最新にアップデート(入学前~入学直後)
- 応募企業を検索、情報収集(10月~11月)
- レジュメをインターン企業に提出、応募(大企業のほとんどは12月が締め切り)
- 書類選考、面接(ビデオ/電話/対面)、グループワークやプレゼンテーション面接など
- 内定連絡とオファーレターをもらい、契約書にサイン(1月~5月)
インターンシップ獲得で最も重要なのがスタートダッシュです。その第一ステップが、MBAスクールに入学したらすぐに「レジュメを最新にアップデートすること」です。実際に上記の期間を見ると、9月に入学して3ヶ月後にはインターン募集の締め切りがあり、早い人で1月にはインターン先が決まることが分かります。
入学したばかりなのにすぐ就活?と思うかもしれませんが、この流れをMBA入学前から把握して動くことが重要です。
インターンシップに合格するための4つのポイント
ここからは実際に私の経験とキャリアカウンセラーからのアドバイスを交えて海外インターンシップ獲得法を解説します。具体的には以下のポイント4つです。
① MBAスクール入学後すぐにレジュメをアップデートする
② 自分の専門性が活かせるポジションに応募する
③ ネットワーキングをフル活用して事前準備する
④ 専門性+αで企業に貢献できるロジックを作る
順番に解説します。
①MBAスクール入学後すぐにレジュメをアップデートする
アメリカのMBAスクールは秋入学が一般的ですが、大手企業のサマーインターン応募の締め切りは12月が多いため、レジュメは入学後すぐに準備する必要があります。多くの留学生の場合、ここで後れを取る人が多いので注意が必要です。
私は入学する前からMBAスクールのカウンセラーからレジュメをアップデートしておくようにと事前に言われ、リソースも渡されていました。今振り返ると、自分なりにレジュメをアップデートした状態で入学できたことは非常に大きなアドバンテージだったと思います。
なぜかと言うと、MBAスクールに入学してすぐの秋学期は「必修授業」があり、朝9時から午後5時くらいまでほとんどの時間が授業で埋まります。さらに、MBA生は4~5人のスタディグループに分かれ、グループワークをおこなわなければなりません。夕方以降はスタディグループの打ち合わせに加えて、自分個人の予習・復習時間に毎日3時間以上は取られます。
スタディグループでのグループワークもほとんどの学生が初めてなので、チームで1つの結論を導くまでに多くの時間を取られます。これらと並行してインターンシップの就活をおこなうのは肉体的にも精神的にも非常に苦しいです。この時期が2年間のMBA生活の中で最も忙しい時期になります。この忙しさがピークの時期に少しでも負担を減らすため、できる限りレジュメはアップデートした状態で入学を迎えましょう。
②自分の専門性が活かせるポジションに応募する
海外インターンシップ獲得に向けて次に重要なのは、「自分の専門性を活かす」ということです。転職の際にもよく言われることですが、「業界」「職種」「ロケーション」のうち、1つ、もしくは2つは固定しないと難易度が高くなります。海外インターンの場合も考え方は同様です。すでに「海外」でインターンすることにより、「ロケーション」は変わるわけですから、「業界」「職種」のどちらかもしくは両方を固定して、自分の専門性が活かせるポジションに応募するのがセオリーになります。
私の場合はサプライチェーンが専門なので、アメリカでのインターンは私の専門性が活かせるサプライチェーンのポジションに絞って応募しました。特に大手企業の場合はスピードが勝負だったので、応募締め切りに間に合うのであれば特に業界は絞らずに進めました。ポイントは、企業リサーチは書類選考が通った後でもできるので、海外インターンシップを獲得したい方はとにかくまず応募することをお勧めします。
なお、私のレジュメは以下で無料公開しています。レジュメの準備方法および良いレジュメの書き方のポイントも解説していますのでぜひ参考にしてください。
③ネットワーキングをフル活用して事前準備する
海外インターンシップの選考を勝ち上がるために非常に重要なことが「情報収集」と「ネットワーキング」です。MBAスクールの受験も同様ですが、欧米ではネットワーキングはスキルの1つと見なされます。スクールイベントに何回参加したか、アドミッション・在校生・アラムナイの誰を知っているかなど、スクールに対する愛を示すことが有効に働きます。
海外インターンシップの場合も同じアプローチを取ることを強くお勧めします。実際、私は放課後は大学主催のネットワークイベントに参加したり、キャリアカウンセラーや教授にインターンシップ先で働く知人を紹介してもらったり、同じ大学の卒業生にコンタクト(昨年インターンシップの同じポジションに応募した卒業生)したりしてインターン先の情報を集めました。
そのネットワーキングの活動のおかげで、インターンの選考では即興のプレゼンがあるという情報も先輩から教えてもらったため、どんなお題が来てもある程度対応できるようにプレゼンの準備もしておきました。これが実際に選考で強力に役に立ったのです。
なお、私が実際にどのような情報収集・事前準備をして、実際の選考はどのような課題が出て、どのように回答したかについて、以下のnote記事で詳細を解説しています。15,000字超えの大作になりますので、詳しく知りたい方はぜひご参考ください。
専門性+αで企業に貢献できるロジックを作る
最後は、実際にインターンシップの選考過程でどのように他の候補者と差別化するか、という非常に重要なポイントになります。
基本的な戦略は、自分しか持っていないキャリア・経験・スキルにフォーカスして、②で述べた自分の専門性に+α をアピールする方法がおすすめです。私の場合、自分のキャリアの特異性のある部分(営業経験やデータ分析に強いこと)を、自分の専門であるサプライチェーンにプラスしてアピールできるようにロジックを作っておきました。
私自身、チャレンジしてみて大変驚いたのですが、UC Berkeley卒などの優秀なクラスメイトがみんな落選してしまったアメリカのユニコーン企業から、フルタイム・インターンを獲得することができました。当然、英語がネイティブの同級生と比較して、私が特別優秀なわけでもないですし、特別なことをやったわけでもありません。
実際、私は自分が実務経験を通して培った 「サプライチェーンやS&OPのスキル」 とMBAで学んだ 「定量分析スキル」 や 「ネットワーキング力・情報収集力」を組み合わせてアピールすることで米ユニコーン企業からのインターンとフルタイム就職のオファーを勝ち取りました。
アメリカ人の優秀なクラスメイトでさえ届かなかった現地での ”Dream Job” を、私のような留学経験のない日本人が獲得できたということは、この「専門スキル+α の組み合わせ」というアプローチが非常に強力であるということを証明していると思います。
まとめ:【海外インターンシップ】米ユニコーン企業のインターンシップ合格までに私がした4つのこと
海外インターンシップについて、合格するまでのステップと、インターンシップを獲得するためのポイントを解説してきました。改めて、海外インターンシップを獲得するため準備するべき重要なポイント4つは以下になります。
① MBAスクール入学後すぐにレジュメをアップデートする
② 自分の専門性が活かせるポジションに応募する
③ ネットワーキングをフル活用して事前準備する
④ 専門性+αで企業に貢献できるロジックを作る
MBA候補生みなさんの成功を心よりお祈りしております!
私の海外インターン獲得方法と実際に聞かれた質問は以下で公開しています。海外インターンや現地就職を目指す方はぜひ参考にして下さい。
MBA留学の第一歩はTOEFL/ IELTSのスコアメイクです!以下の記事もぜひ参考にしてみて下さいね。
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