海外MBAに興味を持っている、もしくは将来MBA留学したいと考えているみなさん、下記のような悩みを持っていませんか?
- MBA留学したいけど、留学費用が払えるか心配
- 私費MBA留学生が活用できる奨学金について知りたい
- 自分に合った海外MBA留学の資金調達方法と申請スケジュールを知りたい
この記事を読めば、海外MBA留学で使える奨学金のリストと、奨学金の検索サイトの情報、種類や注意点について理解できます。加えて、奨学金申請のタイミングや、MBA留学資金の他の調達方法についても解説しています。
海外MBA留学すると決めて一旦動き始めると、時間との勝負です。奨学金を調べている時間も惜しいと思います。MBA受験生が少しでも効率よく情報を集められるよう、渾身の1記事を書いたので、ぜひ参考にしてみて下さい!ちなみに、この記事で紹介するMBA留学で使える奨学金の締切一覧は以下にまとめました。
私は「お金を理由にMBA留学を諦める人」を世の中から少しでも減らしたいです。私自身がMBA留学でキャリアや人生の考え方が大きく変わったと同時に、会社や業界にとらわれず自由に転職もできるようになり、毎日楽しく活き活きと仕事ができるきっかけになったからです。これからMBA受験される方の参考になれば幸いです。
※2023年(昨年)の記事はこちらです!(2024年秋 MBA留学者向け)
海外MBA留学に使える奨学金リスト
まずはMBA留学に使える奨学金のリストを紹介します。私の経験から、大学院留学コンサルティング株式会社が毎年2月ごろに公開している「奨学金リスト」が、海外大学院留学も含めて最も広く網羅していると思いますが、一部「神山財団奨学金」などが抜けていたため、海外MBA留学者向けには私のまとめた下記の奨学金リストを参照していただいた方が良いかと思います。
今回私のブログでは、これら海外MBAに活用できる奨学金をピックアップして、詳細とともにお伝えします。海外MBA留学に使える奨学金リストは以下です。
【給付型】
① フルブライト奨学金
② 伊藤国際教育交流財団奨学金
③ 中島記念国際交流財団 日本人海外留学奨学生
④ 平和中島財団 日本人留学生奨学生
⑤ 国際ロータリー財団 ロータリー奨学金 (Rotary Global Scholarship)
⑥ 日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度
⑦ 一般社団法人CWAJ 海外留学大学院女子奨学金
⑧ 船井情報科学振興財団(2022年度は学士と博士のみ)
⑨ (合格後)神山財団奨学金
⑩ (合格後)本庄国際奨学金
⑪ (合格後)IELTS奨学金
⑫ (合格後)UNIQLO HBS Fellowship
それでは順に解説していきます!
なお、奨学金を獲得するポイントと注意点についてはこちらで解説していますので、詳しく学びたい方はご参照ください。
「海外MBA留学ってそもそもどのくらいの費用がかかるの?」という疑問については、こちらの記事にまとめました。留学資金の概算を掴むためにぜひ参考にしてください。
フルブライト奨学金
最も締め切りが早い奨学金の1つがフルブライト奨学金です。毎年、オンライン申請タイミングが早まっている傾向にあり、2025年度のオンライン登録期間は「2024年3月1日~5月1日」になります。アメリカの大学院に留学する方を対象にした給付型の奨学金です。
年間の授業料(40,000ドル上限)、生活費、渡航費を包括的に給付してくれる手厚い奨学金です。MBA留学希望者は、「大学院留学(専門職学位)プログラム」に応募しましょう。
注意点としては、訪米目的修了後、直ちに日本に帰国し、帰国後2年間は日本に滞在することが義務付けられていることです。MBA卒業後に現地就職を狙っている方は注意しましょう。
スケジュールとしては、5月頭にまず予備審査の締め切り、7月に本審査用の書類提出があります。(ここで推薦状が3通必要になるのも注意です)例年だと10~11月に面接審査、11月~12月に結果発表があります。
伊藤国際教育交流財団奨学金
海外大学院に留学する日本人を対象に授業料(年間300万円上限)、生活費(月約20万円)、渡航費を給付してもらえる奨学金です。給付金額が大きく、非常に魅力的な奨学金なのですが、「申請願書は全て手書きで8部用意」する必要があり、非常に時間と労力がかかります。
(伊藤国際教育交流財団ウェブサイトより抜粋)
奨学金の締め切りは例年8月になりますので、早めに準備を始めるのが良いでしょう。
中島記念国際交流財団 日本人海外留学奨学生
情報・生命・経営科学の分野で海外留学する日本人を対象とする奨学金です。MBAなどの修士号取得予定者だけでなく、博士号取得も対象になっています。授業料(年間300万円上限)、生活費(月約20万円)、往復渡航費などが支給される手厚い奨学金です。注意点としては、30歳以下の年齢制限があります。
(中島記念国際交流財団ウェブサイトより抜粋)
他の多くの奨学金同様、募集期間は留学する前年の8月になりますので、早めの準備がポイントです。
平和中島財団 日本人留学生奨学生
海外大学に留学する日本人を対象にした奨学金です。MBAなどを含む大学院生には月額で20万円(年間240万円)の支給が受けられます。
フルブライト奨学金や伊藤国際教育交流財団に比べると金額は限られますが、その代わり提出書類が少なく、応募にかかる時間は少なく済みます。英語圏の大学に留学する場合、語学スコアの要件として英検1級、TOEFL iBT90点、IELTS 7.0のいずれかが求められますので注意してください。
国際ロータリー財団 ロータリー奨学金 (Rotary Global Scholarship)
海外大学院へ留学する日本人対象にした奨学金です。ロータリー財団は日本の地区ごとに分かれているので、詳細はお住まいの地域もしくは出身地域のオフィシャルウェブサイトの確認が必要になります。(応募締切や奨学金の金額も地区により異なるので注意が必要です)
給付金額の目安は、授業料、生活費、旅費に使える約27,000~30,000米ドルです。募集人数は1~3名ですが、これは地区ごとの募集人数です。日本全国で見ると数十名は選出されており、地方の方がより競争率が低い場合もあるのでねらい目です。
参考までに、2750地区(東京都の南半分)のウェブサイトと、2580地区(東京都の一部および沖縄県)のウェブサイトを紹介します。
ロータリー奨学金に応募したい方は、まずは自分の住んでいる、働いている、もしくは出身地域のロータリークラブに奨学金制度があるかどうか問い合わせることから始めると良いです。各地域のロータリークラブは下記のサイトから検索できますのでご活用ください!
日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度
日本学生支援機構(JASSO)はさまざまなタイプの奨学金を給付していますが、海外の大学で修士、または博士の学位取得を目指す学生を対象とする奨学金は「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」になります。MBA留学の方もこちらに応募してください。
独立行政法人である日本学生支援機構が運営しており、採用されると国費として月額で89,000円~14,8000円(留学地域による)の給付と、年間250万円の授業料も給付されます。
(日本学生支援機構ウェブサイトより抜粋)
ちなみに、海外留学支援制度(大学院学位取得型)の採用人数は多く、2022年では応募者454人中121人が採用、2023年では応募者453人中、151人が採用されています。確立にすると約33%(3人に1人!)が採用されています!是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度のウェブサイト
一般社団法人CWAJ 海外留学大学院女子奨学金
こちらは海外の大学院や研究機関に留学する女性のみが応募できる奨学金です。募集人数は2名で狭き門ですが、年齢と専攻分野の制限はなく、年間300万円が支給されます。
応募の際にはTOEFLもしくはIELTSのスコア条件がありますので気を付けましょう。
一般社団法人CWAJ 海外留学大学院女子奨学金のウェブサイト
船井情報科学振興財団(2022年度は学士と博士のみ)
以前は海外大学院の修士課程に進学する方を対象にした奨学金が提供されていましたが、現在は博士課程と学士のみが対象になっているようです。
(合格後)神山財団奨学金
海外の大学院へ留学する方向けに支給される奨学金です。年間100万円×2年間を限度に支給され、留学に関係することであれば使い道は自由に決めることができます。
(神山財団ウェブサイトより抜粋)
神山財団の一番の特徴としては、応募要件に「応募書類提出までに少なくとも 1 校は合格していること」と記載のある通り、大学院合格後に応募することができます。応募期間も、留学する年の2月~3月末ですので、MBA受験前に奨学金に応募する余裕がなかった方もチャレンジ可能です。採用されれば奨学金がもらえるだけでなく、起業家やベンチャーキャピタル、過去に神山財団奨学金を利用した卒業生とも交流できるため、ネットワーク作りにも役立つでしょう。
(合格後)本庄国際奨学金
海外の大学院に留学する日本人学生に対する奨学金です。秋採用の募集期間は2月~4月で、3~5名を採用しています。奨学金の支給期間は学位取得までの最低年限りとなっており、月額20万円(1~2年間)、月額18万円(3年間まで)、月額15万円(4年を超える期間)です。
本庄国際奨学金のポイントは、入学試験に合格後、もしくは大学院在籍中であっても応募できるため、MBA受験中に奨学金に応募できなかった方にもチャンスがあります。
(本庄国際奨学金ウェブサイトより抜粋)
(合格後)IELTS奨学金
ブリティッシュ・カウンシルが主催する、海外の大学・大学院に留学する日本人を対象にした奨学金です。採用される条件として、IELTSを利用して大学・大学院に応募し、合格通知をもらっていることが必要です。
合格人数は4名で、学費補助として30万円が支給されます。金額としては多くはありませんが、他の奨学金と併用できることがメリットになります。
(合格後)UNIQLO HBS Fellowship
ファーストリテイリング財団がHBS(ハーバードビジネススクール)に合格した私費生を対象に2年間で最大200,000米ドルが支給される奨学金です。
なお、2018年より奨学金のウェブサイトの更新が見られないことから、詳細は企業に問い合わせが必要です。
奨学金の種類と注意点
これまで海外MBAに活用できる奨学金を紹介してきました。次に、奨学金の種類と注意点を解説します。
貸与型と給付型
奨学金には2種類あり、給付型と貸与型があります。給付型の場合、返済の必要はありません。今回の記事で紹介している奨学金は、全て「給付型」になります。
必ず公式ウェブサイトで応募資格等を確認
応募資格を必ず確認しましょう。特に奨学金によっては「年齢制限」や「TOEFL iBT / IELTSのスコア」、「専攻」、「留学先」などが限定されている場合があります。必ず最新の情報を公式ウェブサイトで確認してください。
応募締め切りは7月~10月に集中
奨学金を検討する上で重要なのが、申請締め切りまでのスケジュールです。多くの場合、奨学金の締め切りは「留学する前年の5月~10月」に集中しています。この時期のMBA受験生はエッセイやスコアメイクで最も忙しい時期でもあるので、前もってスケジュールを立てて準備することが重要です。
また、フルブライトなどの一部の奨学金は5月頭にオンライン登録の締め切りがあり、7月に本審査用の申請書類一式が必要です。(推薦状は3通必要)奨学金の申請準備はMBAのエッセイや推薦状、インタビューでも非常に役に立ちますので、準備を早めにして損することはありません。奨学金のスケジュールは事前にしっかりと把握しましょう。
また、神山財団や本庄国際、IELTS奨学金はMBA合格後に申請ができる奨学金です。奨学金の締め切りピークである8月を逃してしまっても、諦めずにトライしてみましょう。IELTS奨学金のように他の奨学金と併用できるものもあります。ぜひ私が上記にまとめた「MBA留学に使える奨学金リスト」を参照してください。
海外留学のための奨学金検索お勧めウェブサイト
奨学金を検索するツールや情報収集としては以下のサイトがおすすめです。MBA留学のための奨学金だけでなく、海外大学院で修士課程・博士課程を目指す方にとっても役立つサイトです!
① 国内最大の奨学金サイト「ガクシー」
自分が支給の条件を満たす奨学金の検索や、おすすめの奨学金情報を知ることができます。奨学金の絞り込み機能があるので、自分に合った奨学金を選びやすいです。
② 日本学生支援機構(JASSO)
海外留学支援制度をはじめ、様々なタイプの奨学金を給付している日本学生支援機構(JASSO)のウェブサイトでは、奨学金の検索機能があります。「留学を希望する課程」、「国・地域」、「専攻分野」の3つを指定するだけで簡単に奨学金を検索することができます。奨学金団体の概要一覧とリンクが表示されますので、各奨学金団体のサイト詳細の募集要項を確認しましょう。
③ XPLANE 海外大学院向け奨学金データベース
こちらもMBA留学だけでなく、海外大学院への進学を目指す方は活用できるサイトです。特に海外大学院でPh.D.を目指す方は、ほぼ全ての奨学金が網羅されていると思います。ぜひご活用ください!
奨学金だけじゃない!MBA留学資金調達の方法4つ
海外MBA留学のための資金調達法ですが、奨学金以外にも様々な方法があります。この記事では資金調達法を以下の通り4つ紹介します。
- MBA社費留学
- 各スクールが独自に設けている奨学金
- 教育ローン(学生ローン)
- 教育訓練給付制度
中でも特におすすめなのが『MBA社費留学』です。企業に所属したまま、学費や現地での生活費は全て会社が負担してくれ、給与まで支給されるという夢のような制度です。あなたの勤める企業で社費留学制度がないか是非確認してみましょう。以下、1つずつ順番に解説します。
MBA社費留学
私自身、社費留学でアメリカのMBAを取得しましたが、もしお勤めの企業にMBA社費留学制度があれば、ぜひチャレンジしてみることをおすすめします。企業に所属しながら、MBAの授業料だけでなく、現地生活費や渡航費も企業に負担してもらえます。なんと給与も毎月支給されます。アメリカでMBAを取得する場合、現地での生活費を含め2年間で約2,000万円の金額を捻出することを考えると、社費留学のメリットは大きいです。
当ブログアクセスランキング1位の『倍率60倍の社内選抜試験を突破した社費留学攻略法』についての記事は以下をご参照ください。
各ビジネススクールが独自に設けている奨学金
意外と見落としがちなのが、海外MBAスクールが提供している奨学金です。
私の周りの私費MBA留学の方の多くが、各MBAスクールが独自に設けている奨学金を取得して留学していました。スクールが提供している奨学金の調べ方は、各スクールのオフィシャルウェブサイト内にある、「Financial Aid」のページを見てみて下さい。奨学金に関する情報が掲載されています。当記事で紹介している民間系が提供する給付型の奨学金と併用する方も多いです。
例えば、Stanford Business SchoolのMBAプログラムのオフィシャルサイトでは以下の「Tuition & Financial Aid」のページに詳しく書かれています。
(Stanford Graduate School of Businessのオフィシャルウェブサイトより引用)
ちなみに、Class of 2023年のStanford GSB fellowshipの平均は年間 $42,000だったそうです。返済義務もなく、大きな金額で非常に助かりますね。
(Stanford Graduate School of Businessのオフィシャルウェブサイトより引用)
私の知人の私費留学生の多くも、スクールから奨学金をもらって学んでいる方が多かったです。みなさんも是非、ご自分の志望校の公式ウェブサイトをチェックしてみてください。
海外MBAスクールが提供する奨学金については以下の記事で詳細を解説していますので、詳しく知りたい方はぜひご確認ください。
教育ローン(学生ローン)
奨学金とともに教育ローンを利用する方も多いです。教育ローンが奨学金と異なる点は、一般的に返済するタイミングが早いということです。貸与型の奨学金の場合、返済が始まるのは基本的にMBA卒業後になりますが、教育ローンの場合は借りた直後から返済することになります。
国であれば日本政策金融公庫(金利約1.6%)や、民間銀行(金利約2%~)でも教育ローンはMBAに適用できます。進学する大学が提携している銀行ローンなどもある場合がありますのでチェックしてみましょう。
ちなみに、教育ローンは奨学金のように締め切り日などはなく、いつでも申請ができます。
教育訓練給付制度
日本国内の経営大学院であれば、「教育訓練給付制度」が使える場合があります。教育訓練給付制度とは、日本の厚生労働省が指定する教育訓練を終了した場合、受講費用の一部が支給される制度です。
教育訓練給付制度には①専門実践教育訓練給付金、②特定一般教育訓練給付金、③一般教育訓練給付金の3種類があり、そのうちMBA取得に関係するのは「①専門実践教育訓練給付金」です。ポイントとしては、支給対象者の条件の1つに「雇用保険の加入期間が3年以上」である必要があります。
最新情報は厚労省のウェブサイトで確認してみましょう。
海外MBA留学の奨学金まとめと資金調達法4選:まとめ
海外MBA留学で利用できる奨学金の紹介と、奨学金以外で海外MBA留学のための資金調達法を紹介してきました。改めて、この記事で紹介した海外MBAに活用できる給付型の奨学金は以下になります。
①フルブライト奨学金
② 伊藤国際教育交流財団奨学金
③ 中島記念国際交流財団 日本人海外留学奨学生
④ 平和中島財団 日本人留学生奨学生
⑤ 国際ロータリー財団 ロータリー奨学金 (Rotary Global Scholarship)
⑥ 日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度
⑦ 一般社団法人CWAJ 海外留学大学院女子奨学金
⑧ 船井情報科学振興財団(2022年度は学士と博士のみ)
⑨ (合格後)神山財団奨学金
⑩ (合格後)本庄国際奨学金
⑪ (合格後)IELTS奨学金
⑫ (合格後)UNIQLO HBS Fellowship
受験生のみなさんの成功を心よりお祈りしております!
★みなさんへお願い★
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