MBA社費留学よく聞かれる質問に答えます:社費留学生の実情

MBA社費留学生の実情 海外MBA

海外MBAに興味があり、社費MBA留学を検討している方、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?

  • MBA社費留学ってどういう制度?社費留学で一体どれくらい投資してもらえるの?
  • MBA留学制度のある業界を知りたい
  • 社内選考、社費MBA受験のアドバンテージ、課外活動や夏休みの過ごし方などについて知りたい

そんな疑問をお持ちのみなさんに、日系企業で海外駐在を2度経験し、MBA社費留学も経験した筆者が社費留学生の実情を解説します。

倍率60倍の社費選考を突破した経験と、2年間のMBA留学を通した社費留学のリアルな生活を紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

それでは早速はじめましょう!

MBA社費留学とは?

MBA社費留学とは、アメリカやヨーロッパなどの大学院でMBA(Master of Business Administration)の学位取得のため、企業が学費を負担し社員を留学させる制度です。

社費選考に選ばれた社員は、世界のエリート候補の学生たちと切磋琢磨して勉強し、学費の会社負担に加えて給与をもらいながら留学できるという金銭面でも大きなメリットがあります。学費だけでもアメリカであれば2年間で約1000~2000万円、ヨーロッパであればその5~7割程度になりますので、そのメリットは計り知れません。

MBA取得による市場価値の向上、キャリアの広がりを享受でき、帰国後に自社に戻ることも出来る社費留学制度は魅力的です。

MBA社費留学制度のある企業・業界

まずは社費留学制度のある企業を紹介します。
私が調べただけでも以下の会社がMBA社費留学制度をおこなった実績がありました。

  • メーカー:日立製作所、サントリーホールディングス、味の素、資生堂、パナソニック、トヨタ自動車、デンソー、三菱電機、キヤノン、住友化学、テルモ、東芝、富士フィルム、キリンホールディングス、旭化成、LIXIL、エーザイ、大塚製薬、NEC
  • 銀行・証券会社:三菱東京UFJ銀行、みずほFG、三井住友銀行、大和証券、野村証券、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行
  • 商社:伊藤忠商事、住友商事、双日、三井物産、三菱商事
  • 省庁:経済産業省、金融庁 etc
  • コンサル:マッキンゼー、ボストンコンサルティング、野村総合研究所
  • IT、その他: NTTデータ、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、東京電力、博報堂、電通、コスモ石油、JFEスチール、日鉄ソリューションズ、清水建設、東京ガス

当然企業によっては、派遣制度の縮小や廃止などもあるので、最新情報は実際にMBA社費留学した先輩や、人事部に確認するようにしましょう。情報収集力もMBA取得を目指すのであれば必要なスキルの1つです。

MBA社費留学の『社内選考突破攻略法』については下記の記事で詳しく解説しました。あなたも会社に2,000万円を投資してもらい、MBA留学を掴み取りましょう。日本で唯一の情報になりますので、ぜひ参考にしてください!

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社費選考の流れ

基本的な社費選考の流れは以下になります。

① 社費選考募集開始
② 応募条件・制度を確認して申請(or 上司からの推薦・推薦文)
③ 小論文提出
④ 面接(1次・2次)
⑤ 結果発表 (9月~12月の企業が多い)

企業によって多少の違いはありますが、基本は『小論文』と『面接』が選考のポイントとなります。応募に条件があったり、上司からの推薦が必要だったりもするので、社費留学の制度は事前にしっかり確認しましょう。

選考の結果発表の時期も重要です。MBAスクールの出願締め切りである9~12月の約1年前に結果発表する企業が多いですが、ここからMBA受験の準備を始めても間に合いません。あくまでも『出願時期から逆算した計画』を立てることが重要です。

MBA準備スケジュールの詳細については、『【MBA留学】準備スケジュールと社費留学・私費留学の注意点を解説』の記事で解説しましたのでぜひご参照ください。

MBA受験における社費留学生のアドバンテージ

MBA社費留学って、MBA受験において有利なんですか?』とよく聞かれるので、こちらの質問にお答えしますね。

MBA社費留学は受験に有利?

MBA社費留学は、確かに受験で有利な面もあります。具体的には以下です。

  • 社内選考を突破した段階で ”Why MBA?””Long-term Goal”“リーダーシップの経験” などエッセイやインタビューで必ず聞かれる質問への準備がある程度できている
  • アプリカントの信頼性(大企業の社内選考を突破しているので、スクールからしても信頼性が担保されている)
  • 就職率100%(ビジネススクールの番付で考慮される条件として、『卒業後の就職率』がある。社費生は基本は派遣元の会社に戻るので、スクール側からすると就職率100%が担保される)
  • 企業内でMBA留学した先輩がいるので、MBA受験に関する社内ノウハウが蓄積されている

私は特に①や②でメリットを感じました。社内選考である程度コアな質問に対する回答を用意いていたので、短期間でもエッセイは書きやすかったです。

社費留学であることはレジュメに書き、受験の際はビジネススクールの面接でもアピールしましたし、実際に手ごたえも感じました。

MBA受験における私費留学と社費留学の実情

上記のように社費留学生のメリットはいくつかあります。ただ、私が留学アドバイザーから聞いた情報になりますが、実際は『私費留学生と社費留学生は違うステージで戦っている』ようです。

どういうことかと言うと、MBAスクールの評価は『卒業後の就職率』とともに、『給与アップ率』が重要な指標になります。

  • 私費留学生は就職率は不確定だが、社費留学生は100%
  • 一方で私費留学生は給与アップ率は高いが、社費留学生は変わらない場合が多い

つまり、ビジネススクール側の視点で言うと、『私費留学生、社費留学生、両方欲しがっている』というのが実際のところのようです。

社費留学生の実情

ここからは、MBA留学を目指している方とのコーヒーチャットで良く聞かれる質問にお答えする形で、MBA社費留学生の実情を紹介していこうと思います。私はアメリカの2年制のMBAに留学していたので、内容は主にアメリカMBAについてになります。

① 社費留学生の生活

アメリカや諸外国の4年制大学を卒業した経験がある人以外は、基本的に英語でレクチャーを受け、英語で議論し、スタディグループで課題をこなすのは初めての経験になるかと思います。

これに慣れるまでの最初の約3ヶ月~半年は、『予習→授業→課題』に追われることになるでしょう。多くのビジネススクールの場合、最初の学期に重要なコア科目(統計学、アカウンティング、ファイナンス等)を受けさせます。これらの科目がとても重いのです。

MBA留学 教科書の写真

こちらは参考までに、私の通っていたビジネススクールで使われる3ヶ月分の教科書になります。実際に私も毎日課題と予習に追われ、夜中2~3時まで机に向かう日々が続きました。。。

また、社費留学生の場合、派遣元への会社に『留学報告レポート』を毎週~毎月提出することが多いです。学んだことを『アウトプットする良い機会』の1つと捉えて、うまく利用すると良いでしょう。

② 社費留学生への投資金額

会社からのMBA社費留学生となると、一体どれくらい投資してもらえるの?という質問も良く聞かれます。結論からお答えすると、私の場合はMBAスクール授業料や住宅費などもろもろを含めて2年間で2,177万円でした。(給与は抜いています)詳しく知りたい方は以下の記事で解説しています。

今あらためて振り返ってみると、これだけの投資をしてもらえるMBA社費留学の選考突破に結びついたのは、『MBA合格のために必要な先行投資をする覚悟』ができていたことだと思います。

実際、私は社費選考に合格する前の段階でMBA留学する覚悟を決めており、既にTOEFL対策やMBA予備校に通って100万円以上投資していました。(最終的にMBA留学前までに自己投資した総額は212万円です)その熱意・気迫・行動力が人事部にも伝わり、社費MBA合格を勝ち取れたのだと思います。

③ 社費留学生の卒業後の年収

社費留学後、ぶっちゃけ年収はどうなるの?どれくらい上がるの?という質問も多くの方から聞かれます。社費・私費留学ともに、自腹で先行投資してMBA留学にいくわけですから気になるのも当然ですよね。

結論から言うと、『MBA取得後、転職するかどうか』によって大きく変わります。なぜかと言うと、一般的にMBA派遣制度があるのは日系企業が主流です。日系企業の場合、MBAを持っていてもほとんど年収は変わりません社費留学していた私のMBA同期は日系企業に勤めており、全員が年収は変わりませんでした。

一方で、MBA取得後、自分のスキルと経験を使って転職する場合、年収が一気に上がる可能性が高いです。私の場合、日系メーカーから外資系メーカーに転職し、年収400万円以上のアップと、やりたい仕事を手に入れました。

ちなみに、日経転職版で『あなたの年収現在地』を使って自分の年収相場を確認したところ、同じ年齢・業種・職種グループの人と比べて約550万円高いということも分かりました。

あなたの年収相場_日経転職版

(日経転職版「あなたの年収現在地」で筆者のプロファイルを入力)

『自分の給与水準がマーケットと比較して適正かどうか?』は、大企業に長年勤めていると気づきにくいものです。私もそうでした。MBAホルダーやハイキャリアの転職について、私が実際に使ってみた体験をもとに『オススメ転職エージェント7つ』を以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください!

④ 社費留学生の課外活動の過ごし方

私の場合、課外活動は主に以下の2点に注力しました。

  • インターン・就活に向けての活動
  • スタートアップの活動(自分のMBAの目標の一つ)

理由は、せっかくアメリカに来たので自分の力で100%アメリカの企業に就職できるかチャレンジしたいと思ったからです。結果、合格率1.5%の米ユニコーン企業のインターン合格とフルタイムのオファーをいただくことができました。(日本人は私だけ)こちらについては以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご確認ください。

⑤ 社費留学生の夏休みの過ごし方

アメリカのビジネススクールでは、1年目が終わると夏休みが3ヶ月ほどあります。通常、アメリカの学生はここでインターンをしますが、社費留学生の過ごし方は様々です。家族との生活を楽しんだり、長期旅行、他大学に留学する人もいます。

大学によってはサマークラスも開催されるので、私の友人は好きな授業を受けながらゆっくり家族と過ごしていました。

私はフルタイムのインターンを獲得したので、サンフランシスコで3ヶ月間インターンをしながら、週末は旅行をして過ごしました。

  • インターン(アメリカ企業・フルタイム)
  • 旅行

初めてのサンフランシスコ生活、仕事もプライベートも満喫した最高の思い出になりました。アメリカ企業の良い点の1つに、『仕事環境の良さ』があります。

基本的に他人に深く干渉はせず、黙々と仕事をして、やることをやっていれば早く帰っても文句は言われません。ワークライフバランスに対する理解も日本以上にあります。

MBA社費留学よく聞かれる質問に答えます:社費留学生の実情まとめ

MBA社費留学生の実情について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?改めて今回の記事で紹介したものをまとめます。

  • MBA受験における私費留学と社費留学の実情
  • 社費留学生の生活
  • 社費留学生への投資金額
  • 社費留学生の卒業後の年収
  • 社費留学生の課外活動の過ごし方
  • 社費留学生の夏休みの過ごし方

この記事が少しでもみなさんのお役に立つことを願っております!

MBA留学を目指されている方は、以下の記事をぜひ参考にしてみて下さいね。

【海外MBA受験】TOEFL68点から合格までの全ステップまとめ

MBA社費留学:倍率60倍の社内選考を突破した小論文を公開

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