MBAに興味のある方、もしくはMBA取得を目指しているみなさん、海外MBAスクールと、国内のMBAスクールがどのように違うのか、自分にはどっちが合っているのかお悩みではないでしょうか?
- MBA取得を考えているが、自分には国内と海外のMBAどっちが向いているの?
- 海外MBA、国内MBAの違いは?
- MBA経験者に海外と国内MBAの違いについて聞きたい
この記事を読めば、海外と国内MBAの違いが分かるだけでなく、それぞれの特徴やメリットが理解できます。どちらがより自分に合っているかを考える際にお役立てください。
海外MBAを実際に取得した私が、自分の経験と国内MBAホルダーのネットワークをもとに情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
海外MBAと国内MBAの違い
海外MBAと国内MBAの大きな違いは、学費や受験準備に必要な時間、言語、そしてクラスのダイバーシティや得られるネットワークなどでしょう。
一方で、どちらもMBAの基本的なカリキュラムは変わりません。コアクラスと呼ばれる必修授業は、基本的にはどのスクールでも共通しています。ただし、学ぶ環境は両者で大きく異なります。海外MBAの場合は世界各国から集まるクラスメイトと英語で学ぶのに対し、国内MBAの場合は母国語で深い内容までじっくり理解することができるでしょう。
以下、私のMBAネットワークで得られた情報を元に書きましたので、あくまで一例としてご理解ください。(実際に受験する際は必ず自分で調べましょう)
学費
学費については海外と国内で大きく違います。
海外MBAの学費が800~2,000万円(1年制もしくは2年制)ほど掛かるのに対し、国内MBAは300~500万円で取得可能です。
海外でMBAを取得する場合は、既に海外に在住している場合を除き、ほとんどの方がフルタイムでMBAを取得することになるでしょう。つまり、海外の場合は学費の他に現地の滞在費も必要になりますし、フルタイムで就学する場合はその間の収入も無くなることになります。(社費留学の場合を除く)
したがって、海外MBAの場合は資金をどのように準備するかが多くの方にとって課題です。資金の調達方法については以下で解説していますので、詳しく知りたい方はご参照ください。
一方で、国内MBAの場合は夜間(パートタイム)で働きながらMBAを取得する方が多数派です。もちろん国内でもフルタイムで受講することも可能ですが、学費はほぼ同じです。国内パートタイムであれば働きながらMBAを取得できるため、収入も得ながら就学することが可能です。
受験準備に必要な時間
入学するための受験勉強に必要な時間も大きな違いがあります。
海外MBAスクール入学までに必要なものと、準備時間の目安は以下です。
① TOEFL / IELTSのスコア(英語力を示すためのテスト):約600~900時間
② GMAT / GREのスコア(論理的思考力等を示すためのテスト):約300~500時間
③ ESSAY(小論文):約50時間
④ Resume(履歴書):約20時間
⑤ Recommendation Letter(推薦状 – 多くの場合2通):約10時間
⑥ Transcripts(大学時代の成績表)
⑦ Interview(面接):約20時間
・合計約1,000~1,500時間のプロジェクトマネジメント
※準備時間に大きく幅があるのは、個人によってTOEFL/GMATにかかる時間に差があるため
海外MBA受験準備のスケジュールについては以下の記事を参照してください。
国内MBAスクール入学までに必要なものは基本的には以下です。
- 書類選考
- 筆記試験(小論文)
- 面接
入学試験の準備時間は人によってさまざまですが、国内MBAの場合、出願時期の2~3ヶ月前から準備を始める方が多数派です。青山学院大学大学院、一橋大学大学院、早稲田大学大学院など、国内の有名どころで比較的難易度が高いと言われているMBAスクールでも3ヶ月程度で準備をされている方が多いです。(※最新の情報は必ずご自身で各スクールのオフィシャルサイトをご確認ください)
ただし、試験に英語が課せられている大学院は注意が必要です。京都大学経営管理大学院、神戸大学大学院経営学研究科、一橋大学大学院経営管理研究科(経営分析プログラム)の3校については英語が課せられています。TOEICであれば800点程度を目安に余裕をもって準備しておきましょう。
言語
海外MBAでは当然授業は全て英語になります。毎日の課題や、グループでのディスカッションも全て英語になるわけですから、就学中は英語にどっぷりと漬かることができます。ビジネスに関わる実践的な英語スキルが向上するメリットは大きいですし、今後のあなたのキャリアにとっても大きな資産となるでしょう。
一方、国内MBAは日本語でおこなわれる場合がほとんどです。英語を使う機会はあまりありませんが、その代わり複雑な理論やディスカッションを母国語で学ぶことができるため、理解の内容が深まりやすいと言えます。
例えば、難しい統計学やデータ分析の理論や、財務・会計などの専門知識が母国語で学べるメリットは大きいと思います。
クラスのダイバーシティ・ネットワーク
海外MBAでは世界中から生徒が集まるため、非常に多様性のあるクラスメイトと1~2年間学ぶことができます。文化や価値観、バックグラウンドの違うクラスメイトと、時にはぶつかりながら共に切磋琢磨して学ぶことは、将来グローバルリーダーを目指す人にとっては大きな資産になると思います。
また、国内MBAでは日本のさまざまな業界で仕事をしている社会人が集まります。したがって、仕事にすぐに活かせる人脈作りができたり、他業界との繋がりや転職や起業などにもつながるネットワークができることがメリットでしょう。
卒業後の賃金上昇
MBA卒業後の給与はどれほど変わるのでしょうか?さまざまな要素があるので一概には言えませんが、慶應義塾大学のデータで「MBA教育」について海外MBAと国内MBAで個人に対する投資収益率との分析をおこなっているので紹介します。
私費生・社費生を含むMBA留学者全体を対象に、海外MBAと国内MBAプログラムを比較した結果が以下です。
出展:慶応義塾大学学術情報リポジトリ – 海外MBAと国内MBAの比較; 清水 隆介
表を見ると、海外MBA卒業生の賃金上昇額は平均546万円に対し、国内MBA卒業生の場合は89万円です。データだけを見ると、MBA卒業後の賃金は海外MBA卒業生の方が有意に高いことが分かります。
私個人の意見として、このデータを見るときに注意したいのは、海外MBAを卒業したから給与が上がったのではなく、「海外MBAを卒業後した人は、給与の高い業界・職種・(外資系)企業に転職する傾向が高い」という解釈もできると思います。
実際に私も海外MBAで様々な価値観に触れ、自分も環境を変えてチャレンジをしたくなり、外資系企業に転職しました。結果として給与も400万円アップしました。海外MBAを卒業した方は、このようにマインドセットや価値観が変わり、転職する傾向が高いということも理解しておくべきと思います。
MBAホルダーやハイキャリアの転職については、以下の記事で詳細を解説していますので興味のある方はぜひご参照ください。
番外編:オンラインとオフラインMBA
ここまでで海外と国内MBAの違い、それぞれのメリットや特徴が分かったと思います。
番外編として、オンラインMBAについても紹介します。私の友人は日本で仕事を続けながら、海外MBAのメリットである「グローバル人脈の形成」「ダイバーシティ」「英語力アップ」の機会を得られるオンラインMBAを受講しました。
海外オンラインMBAは、費用が安いことや入学までのハードルが海外MBAに比べると低いこと、今の仕事を続けながらMBA取得できることなど、メリットがたくさんあります。ちょうど国内MBAと海外MBAの中間に位置すると言うこともできます。
特に、家族や子育てのタイミングで海外のMBAは難しい、高額な授業料がネックとなって諦めていた方にとっては、海外オンラインMBAを検討してみる価値があるかもしれません。
【まとめ】海外MBAと国内MBAスクールの違い5つを解説
海外と国内MBAの違いを5つの観点から解説してきました。改めて、海外MBAと国内MBAの特徴をまとめると以下になります。
【海外MBA】
- 学費は高額で800~2,000万円(1年制もしくは2年制)
- 入学までの受験準備に必要な時間として約1000~1500時間
- 授業は基本全て英語でクラスのダイバーシティは高く、グローバル人脈も作れる
- 卒業後の給与アップの可能性は高い
【国内MBA】
- 学費はで300~500万円(1年制もしくは2年制)
- 入学までの準備期間は2~3ヶ月程度
- 授業は日本語でおこなわれ、仕事に直結する人脈が作りやすい
- 卒業後の給与アップのインパクトは海外に比べると小さめ
MBAに興味がある方にとってこの記事が少しでも参考になれば幸いです。
この記事を読んで、海外MBAにより興味を持った方、MBA取得後のキャリアの選択肢については以下の記事でまとめましたのでぜひご参照ください。
海外MBA合格までの全ステップは以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方はご参照ください。
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