『10週間で立ち上げるEコマースビジネス』、早くも今回で第5回目になりました。
当記事は10回シリーズを通して、以下の悩みを解決できるような内容になっています。
- Eコマースビジネスを始めたい
- どんな優先順位で、何を学べばいい?
- ビジネスアイデアをブレインストームしたい
- 起業を経験してみたい、起業アイデアを即実践したい
前回は『チームと役割』と『アイデアとストーリー』について解説しました。
シリーズ1回目から記事を読みたい方は、【MBA流】10週間で立ち上げるEコマースビジネス – Week1 をご確認下さい。
シリーズ5回目は、いよいよ『ブランディング』、『Eコマースプラットフォーム』、『ストアデザイン』について解説していきます。
この記事を読み終えることで、『ブランディング』の基本や『マーケットプレイス』、『Eコマースプラットフォーム』のポイントを理解した状態になります。
10週間のおおまかなスケジュール
当記事(10回シリーズ)のスケジュールですが、以下の通りになります。
Week 1: イントロ & ビジネスアイデアを生み出す
Week 2: 顧客ニーズ、製品、顧客に提供する価値
Week 3: カスタマーリサーチ、調達とフルフィルメント、プライシング
Week 4: チームと役割、アイデアとストーリー
Week 5: ブランディング、プラットフォーム、Eコマースストアデザイン(← 今週はここです!)
Week 6: ストアデザイン、ブランドアイデンティティー
Week 7: ユーザーテスト
Week 8: SEO、ソーシャルメディアの活用、コンテンツマーケティング準備
Week 9: コンテンツマーケティング実践
Week 10: ビジネスの最適化 & リターゲティング
それでは今週も宜しくお願いします!
ブランド (Brand) とは?
ブランドとは何でしょうか?
ブランド = ロゴでしょ?と思っている方も多いと思います。
正確には、ロゴはブランドの要素の中の1つになります。
ブランディングはマーケティングの中でも最も誤解されやすいトピックです。
まずみなさんに知って頂きたいことは、多くのビジネスにとって『最初のブランドデザイン』が顧客に与える影響は大きい、ということです。
次の例で説明します。
ロゴの重要性
上記はみなさんご存知の『GAP』のブランドロゴです。
GAPは昔、企業ロゴを変えたことがあるのをご存知でしょうか?2010年にGAPは新ロゴを発表しましたが、わずか6日後に元に戻しました。
これは、一旦消費者に定着したブランドイメージは、そう簡単に変えることができないという証拠です。
ブランドは”心の不動産”
改めて、ブランドとは何でしょうか?
みなさんに今回1つだけ覚えて頂きたいのは、
ブランド = 心の不動産 (Mental Real Estate)
ということです。
これはつまり、『ブランドとは、まるで”不動産”のように消費者の心の中に根付き、消費者の購買行動に影響を与えるもの』ということです。
Eコマース授業の学び
“ブランド” とはカスタマーの心に帰属するものであり、
“Mental Real Estate”
(メンタル面における不動産)である。
現実に根付いているが、一方でカスタマーの知覚と特異性を反映している
なるほどな、と思った。 pic.twitter.com/ymCbbxtTPo
— Yusaku@ UC San Diego - JavaScript, jQuery勉強中 (@yusaku_nakamura) May 6, 2020
例えば、全く同じデザインのバッグが2つあったとして、一方はノーブランド(3万円)、もう一方はエルメス(30万円)だったとします。
この値段を見て、多くの方は『エルメスだから高くてもしょうがないか』と思うかもしれません。
またある人は、『エルメスが大好きだからいくら払ってもいい』と思うかもしれません。
これがブランドを『心の不動産』と表現できる理由です。
“エルメス”というブランド価値が、”価格”や顧客の”購買行動”に影響を与えています。
ブランドが影響を与えるもの
実際にブランドが影響を与えるのはどのようなものでしょうか?
以下に具体例を見ていきます。
① 価格
以下はアスピリン(解熱・鎮痛剤)を対象に、世界的な調査会社であるニールセン社が出した調査結果です。
アマゾンでは以下の2種類のアスピリンが売られていました。
BAYER製アスピリン: 1錠につき$0.04
ジェネリックのアスピリン: 1錠につき$0.01
レビューによる評価はどちらもほぼ同じですが、ベストセラーはBAYER製のアスピリンです。
※この『同じクオリティの製品における価格の差』を『ブランドプレミアム』と呼びます。
ニールセン社がどのような人々が『ブランドプレミアム』を払いやすいか、を調査した結果が以下です。
- 医薬品に対して医者、看護師、薬剤師はブランドプレミアムを払いにくい
- 食品に対してシェフ、食品メーカー関係者はブランドプレミアムを払いにくい
- (特定の分野に対して)所得が多い人ほどブランドプレミアムを払いやすい
つまり、『ある分野に対して知識が乏しい顧客はブランドプレミアムを払いやすい』ということです。
② 素早いコミュニケーション
みなさん『カロリーメイト』という製品はご存知の方も多いと思います。
ブランド名にカロリーという単語が入っている通り、バランス栄養食として知られています。
ブランド名を聞いて、手軽に素早くかつ栄養素もバランスよく取れるという『Value propositions』がすぐに伝わってくるのではないでしょうか。
これはブランド名が『顧客に提供する価値』を素早く伝える役割を担っている良い例です。
*Value propositionsについては、【MBA流】10週間で立ち上げるEコマースビジネス – Week2 で詳しく説明しておりますのでご参照下さい。
③ パーソナリティ&自己表現
米生命保険最大手のメットライフは長年の間、消費者との結びつきを強めるため、スヌーピーのキャラクターを採用していました。
これは、『ビジネスライク』『冷たい』イメージの生命保険業を『あたたかく、消費者に寄り添った』イメージに転換したい、というねらいがありました。
他にも、みなさんがブランドにパーソナリティ(個性)を感じている例が身近にあるのではないでしょうか。
ブランドロゴの作り方
ここまでで、ブランドについて基本的な理解ができたと思います。
次はいよいよ、Week4であなたが選択したビジネスアイデアについて、ブランドロゴを作っていきましょう。
以下の6つがロゴを作る上でのポイントになります。
- デザインがはっきりして見やすい
- 大小様々なサイズでも読みやすい
- 視覚的にバランスが整っている
- 洗練されている
- 一貫性がある
- 表現に富んでいる
これらを念頭に、ロゴをデザインしてみましょう。
ロゴデザインが初めての方向けに、現在はロゴを作成してくれるリソースも増えてきました。
以下は無料でロゴ制作してくれるサービス例ですので、ぜひ活用してみて下さい。
マーケットプレイスとEコマースプラットフォーム
マーケットプレイス、もしくはEコマースプラットフォームという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
これらはあなたが商品・サービスをEコマースで売ろうとしたときに、取り引きする『場所』を提供してくれるものです。
例えば、あなたは洋服を買いに行きたいと思ったら近くの『ショッピングモール』という『場所』に出かけていきます。
マーケットプレイスはインターネット上の『ショッピングモール』のようなものです。
ここからはあなたの製品、サービスを売るマーケットプレイス、Eコマースプラットフォームを選んでいきましょう!
マーケットプレイス
モノを買いたい人(バイヤー)と売りたい人(サプライヤー)が自由に参加できるインターネット上の取引市場です。
主なマーケットプレイスとして、
Amazon、eBay、Facebook Marketplace、Instagram Shopping
などがあります。
日本では楽天市場やYahoo!ショッピングなどが有名ですね。
Eコマースプラットフォーム
Eコマースプラットフォームとは、オンライン上にストアを構築できるように開発されたソフトウェアです。
グローバルマーケットリーダーはShopify(ショッピファイ)です。
スケール化にも対応できますし、ラーニングコンテンツやサポートも非常に充実しています。
グローバルでEコマースプラットフォーム市場をほぼ独占していると言っても良いでしょう。
日本の企業ではSTORES、BASE等が有名です。
マーケットプレイス、Eコマースプラットフォームの違い
マーケットプレイス、Eコマースプラットフォーム共に似たように感じるかもしれません。
一番大きな違いは ”自由度” です。
マーケットプレイスは『ショッピングモール型』と表現しました。
あらかじめ用意されたショッピングモール、つまり商業スペースの中で商売をすることになります。
モール自体の集客力はありますが、売り場のデザインができない、差別化が難しいなどの制約があります。
一方でEコマースプラットフォームは例えると『独立店舗型』です。
ブランディングやストアデザインの自由度が高いというメリットがありますが、立ち上げ直後は集客が難しいというデメリットもあります。
私のおすすめは以下の理由でShopifyです。
- 柔軟性、機能とサポートに優れている
- 1ヶ月あたり$29(約3,000円)リーズナブルな価格でスタートできる
ただし、必ずしも全てのビジネスがShopifyにフィットするとは限りません。
あなたのビジネスとコンセプトに合ったマーケットプレイス、Eコマースプラットフォームを選択するようにしましょう。
詳しく学びたい方は、私が実際にサービスを使って比較してみた以下の記事も参考にしてみてください。
【実践】マーケットプレイス/ Eコマースプラットフォームを決めよう
それでは今週も早速実践です。
Week4であなたが決定したビジネスアイデアに対して、以下を実践しましょう。
【実践】マーケットプレイス/ Eコマースプラットフォームを選択し、ストアデザイン、ブランディングを開始しましょう。
具体的には、これまでの解説を参考にして以下の4点をおこないましょう。
1. あなたのビジネスにフィットするマーケットプレイス/ Eコマースプラットフォームを決定する
2. ブランディング・ストアデザインについて考え始める
3. ブランドロゴを作る
4. あなたの(売り手の)プロフィールを作り始める
特に2~4については、何から手を付ければ良いのか迷うかもしれません。
次回の第6週目で、ブランディング・ストアデザイン、ブランドロゴ作成の詳細を解説していますので、是非以下の記事を参考にしてみて下さい。
第6週目『Eコマースストアデザイン(続き)』
当シリーズ5回目と6回目は関連性が強いので、是非セットでご覧ください。
一緒に楽しみながらEコマースを立ち上げましょう!
記事で紹介したネットショップ作成サービス
- 公式サイト【Shopify】:14日間の無料体験あり
この記事を読んで『ネットショップを立ち上げてみたい!』と思われた方、私がおすすめするネットショップサービス(ECプラットフォーム)を次の記事で紹介していますので、是非参考にしてみて下さい!
Twitterでも定期的にEコマース・MBA関連の情報配信をしているので、ぜひフォローをお願いします!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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