こんにちは、yutaroです。
3月後半になってくると、多くのMBA候補生の方は9月入学に向けて何を準備しようかと悩み始める時期かと思います。
この時期に最もよく聞かれる質問は「MBAが始まる前に何を準備しておくべきか?」です。
このnoteはそのような質問を持ったMBA候補生の方に向けたものです。
早速結論から書きます。
私のお勧めは、「Post-MBAの目的を持つこと」です。
Long-term Goalだったらエッセイで既に書いたよ、と言われる方も多いかと思います。
私も下記のようにLong-term Goalを書きました。
5年後に XXX 会社の YYY のポジションで ZZZ をおこなう!!
ここで言う「Post-MBAの目標」とは、受験や会社を一旦離れて考えたときに、人生においてあなたが心の底から成し遂げたいと思っている『人生のキャリアゴール』のことです。
アメリカではこれを『North Star』と呼ぶこともあります。(文字通り、暗い夜でも進む方向を間違わないための北極星のような目印ですね)
私の場合はMBAを目指す前から、『いつか起業して自分のビジネスを立ち上げたい』、という目的がありました。
その目的から、私は「卒業して1年以内に自分の会社を立ち上げる」という目標を設定しました。
約1年半のMBA留学を過ごした今、私がこれをお勧めする理由は、「Post-MBAの目的」のおかげで、2つのことを達成できたからです。
① 最難関と言われるユニコーン企業のインターンと内定を獲得(通過率1.5%)
② スタートアップのピッチコンテストで優勝(ライバルは全てアメリカ人)
そして、周りのクラスメイトを見ていても、このPost-MBAの目的を持っているかどうかで1年半の間に差が出てきていると感じたからです。
Post MBAの目的を持つメリット
最初にPost-MBAの目的を持つことのメリットを3つ紹介します。
①毎日の行動が変わる
アメリカでは就職のために最も重要視されるのがインターンです。
インターン経験者の半数以上がFull-time採用に繋がると言われているからです。
インターン獲得に向けて、MBA生が入学後、最初に言われることは、「レジュメのアップデート」です。
なぜなら、多くの大企業のインターン採用は12月が締め切りだからです。
しかし、私の知る多くのMBA生がこの短期間のアプライ準備に間に合わなかったと言っています。
理由は前の記事にも書いた通り、「MBAは最初の学期が一番忙しい」からです。
つまり、取り掛かる時期の早さと、毎日の時間の使い方が勝負です。
Post-MBAの目的がある場合、この初動の早さと毎日の行動が変わります。
具体的には入学前に後述する “目的を持つための『ヒント1』” を完了しておくことをお勧めします。
②限られた期間で成長度合いが変わる
MBAが始まると、授業と大量の課題が課せられます。
恐らく多くの方は平日は毎日授業と課題をこなすことでスケジュールが埋まります。
一方で、授業が一通り終わる夕方5時以降は、基本的に時間の使い方は自由です。
スクールのコミュニティー関連のセミナーやクラブ活動、パーティーや家族との時間を過ごす等。選択肢は無限にあります。
無限に選択肢があるからこそ、「学業の先の目的」がないと、学業だけして何となく2年間のMBAを過ごしてしまう、という危険性を孕んでいます。
一方で「Post-MBAの目的」があると授業終了後の時間の使い方が変わります。
数多ある情報から自分に必要なものを選別し、アクションに繋げることができます。
例えば、私は友人と始めたスタートアップビジネスをアメリカで展開したい、という目標がありました。
目に留まったVCやインキュベーター主催のピッチコンテストに全て参加して、プレゼンの武者修行をしていました。
この活動が最終的にピッチコンテストでの優勝に繋がりました。
別の例としては、私の友人は私費で日本から来ていたため、就職先を見つけることが必須でした。
彼はセミナーやイベントに出て就職に向けて情報収集やネットワーキングをおこない、学内においてほぼ最高の条件で就職を勝ち取りました。
つまり、限られた時間でも「今しかない」という付加価値が自分を動かす原動力になります。
③ネットワーキングが想像もしていなかった機会を生み出す
目的を持って活動をおこなっていると、自分でも驚くようなネットワークが広がっていきます。
私の場合、最初の半年はただがむしゃらにビジネスピッチ武者修行をおこなっていました。
あるピッチ大会で他大学の組織(SBDC)に属しているメンターと知り合い、1 on 1でピッチ資料をブラッシュアップしてもらう機会に恵まれました。
結果、飛躍的に資料とプレゼンのクオリティが上がりました。
(後になって知りましたが、SBDC は Small Business Development Centers というアメリカでも有数のスタートアップ支援組織でした。)
結果、入学から約7か月後、応募したインキュベーターにアクセプトされ、6ヶ月後のDemo Dayのプレゼンにて優勝しました。
このような出会いが生まれたのも、自分が目的を持って行動していたからだと思っています。
目的を持つための3つのヒント
次は、具体的に目的を持つためにどうするか、について解説していきます。
大前提としては、ここが自分の専門と言えるような「分野」をおおまかに設定することです。
代表的なものはMBAのコアクラスの科目にある ファイナンス、マーケティング、オペレーション、ストラテジー、アントレプレナーシップ等です。
当たり前のことかもしれませんが、非常に重要なことです。
なぜなら、アメリカでは人材採用において専門性が高く評価されるからです。
そして、専門性と経験がマッチすれば、どんなに難関と言われている企業でもインターン獲得やフルタイム採用のチャンスがあります。
日本の中途採用でも即戦力が求められることは同じだと思います。
具体的には、目的を持つヒントとして私は以下の3つをお勧めします。
ヒント1:専門の方向性を決める
専門性を決める方法は以下の2つです。
方法①:今持っている専門性をさらに深める
方法②:(今の業界の経験をアドバンテージに、)職種を変える
①は、自分の専門がオペレーションであれば更にオペレーションの詳細を極めます。
MBAを取りに来ている学生は②のパターンが多いですね。今の専門以外にシフトしたいからMBAで学びたい、という方です。
MBAを目指す方で、特に海外での就職を目指している方は、できる限り早く自分の専門性を決めておくことをお勧めします。
私がアメリカの企業から内定をもらったときに痛感したのは、現地就職においてはいかに『自分の専門性と経験を、採用企業側のニーズとマッチさせるか』が全てです。
(※補足:上に挙げた代表的な専門分野を見てもピンと来ない場合、1つの方法として “Khan Academy” で網羅的に興味のありそうな分野のコンテンツを見てみることをお勧めします。)
専門を決めるときのポイントとして、あくまでも「現時点の暫定1位」という位置づけで十分です。
MBAの2年間は非常にダイナミックでたくさんのインプットとアウトプットがあります。
この過程で自分の興味が変わっていくのはむしろ当然です。
ヒント2:周囲の人に伝える
暫定の専門性が決まったら、友人やクラスメイトに積極的に伝えます。
MBAでは自己紹介の場で「What is your background?」と聞かれることが多いです。
そのような機会を利用して自分の専門性と興味を周囲に伝えていきます。
このプロセスが重要なのは、言語化することによって自分の思考が明確になり、自分の気づいていなかった理由に気づくこともあるからです。
MBAの同級生の興味や専門性に触れて、自分の考えがより深まることもあります。
周囲に伝えるもう一つの理由は、自分へのコミットメントとなり、勉強を継続できるからです。
ヒント3:ネットワークを広げる
MBAでしきりに強調されることは、Networkingです。
アメリカでは特にこのネットワーキング力も重要なスキルの1つとして見られます。
ネットワークは就職の際にも有利に働きますし、ネットワーキングの過程で自分にとって有益な情報もたくさん入ってきます。
私の場合は、アントレプレナーシップの重要な情報はネットワーキングで出会った人たちから学んできました。
- 効果的なピッチ資料の作り方
- エレベーターピッチ
- カスタマーインタビューの方法
- Fund raisingの方法
ネットワーキングを通して、自分で将来起業するという目的が、現実に近づいてきました。
あくまで今回は私の経験を通して非常に個人的な観点から「Post-MBAの目的」を持つことの意義を書かせて頂きました。
もちろん人それぞれの目的、方法があるかと思います。
一方で、MBAは一生に一回の経験です。
これからMBA留学を控えた方が、この記事を読んで少しでもご自分のキャリアのイメージを膨らませて頂ければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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