自分の商品やビジネスの価値を正しく消費者に伝えたいと考えている方、最近Eコマースを始められたみなさん、下記のような悩みを持っていませんか?
- 自分だけの商品の価値を効果的に伝えたい
- Eコマースで商品の差別化が難しい
- Eコマースでストーリーテリングを活用して商品価値を上げたい
この記事を読めば、ストーリーテリングのメリット、Eコマースでストーリーテリングを活かすためのポイントを理解することができます。
海外MBA のEコマースの授業で教えられたポイントを盛り込み、ストーリーテリングを効果的に活用している実例も交えて紹介しますので、ぜひ参考にして下さい!
それでは早速はじめましょう!
ストーリーテリングとは?
もともとストーリーテリングとは、事実と物語を使用して、聞き手に何かを伝えるプロセスです。コアメッセージをよりよく説明するために工夫されたり、即興で作られたりします。
最近ではビジネス界においても『ストーリーテリング』が重要になってきました。
ストーリーテリングとビジネス
モノが溢れる現代において、価格や機能だけで商品を差別化することは難しくなっています。新しい商品を作ってもすぐに他社に模倣されてしまうからです。
価格や機能に頼らず、商品の価値や生産者の価値観などを正しく顧客に伝えるにはどうすればいいでしょうか?
そこで登場してきたのがストーリーテリングです。
ストーリーが商品の価値に及ぼす影響とは?
あるNYの起業家が雑貨($1~3)を調達し、それぞれの雑貨に”ストーリー” を付加してオンラインで販売しました。
結果はなんと平均$27の価格で完売。
”ストーリー” を顧客に伝えることで、商品価値を上げることができる良い例ですね。
マーケター必見の事例
— Yusaku@ UC San Diego - 【MBA流】Eコマースビジネスのノウハウ公開中 (@yusaku_nakamura) September 21, 2020
『商品』や『商品を開発する人たち』の裏側に潜む “ストーリー” に焦点を当て、商品を差別化すというコミュニケーション方法が注目されています。
なぜストーリーテリングするのか?
ストーリーテリングをビジネスに活用することで様々なメリットがあります。
- 抽象的・複雑なメッセージを『シンプル』に伝えることができる
- 感情を介して人々を結びつけることができる
- 人に刺激を与え、やる気を起こさせる
結果、お客さまに正しく価値を伝えることができ、商品やブランドを介した『コミュニティー』を作ることにも役立ち、商品の購買にも結びつけることができます。
Eコマースでストーリーテリングを活かすコツ
ビジネスにおいて、ストーリーテリングを活用するときに重要なポイントがいくつかあります。(Eコマースなど、直接顧客とコミュニケーションする接点がない場合は特に重要になります。)
① お客さまの声を聴く
② 『1人』と徹底的に向かい合う
③ 『なぜ?』を深掘りする
順に解説していきます。
①お客さまの声を聴く
既にお客さまがいる場合、お客さまの声に焦点を当てましょう。なぜ他の商品ではなく、あなたの商品を選んでくれたのか、そこには『理由』があるはずです。
その『理由』がストーリーのヒントになります。
これからお客さまを見つける場合は、もし最初のお客さまがあなたの商品を使ったら『どのように感じるか?』を想像してみましょう。
必ずしも『直接的に』商品が登場する必要はなく、お客さまの普段の生活など『より広い範囲の経験』に着目してみることが大切です。
例えば、もしあなたの商品がなかったら、お客さまはどのようにして『あるタスク』を完了するのか?そして、もしあなたの商品があれば、それはどう変わるのか?について、ストーリーを想像してみましょう。
②『一人』と徹底的に向き合う
想定するお客さまは、具体的であればあるほど良いです。
マーケティングでよく使われる手法『ペルソナ』
ペルソナは『そんなに細かくカスタマー設定していいの?』という質問がありますが、全く問題ありません
early stageでは『ある1人のユーザー』が『熱烈に欲しがるソリューション』を提示することが最も重要
そこそこの商品には誰もお金を払いません。
— Yusaku@ UC San Diego - 【MBA流】Eコマースビジネスのノウハウ公開中 (@yusaku_nakamura) July 25, 2020
思い浮かべたお客さまには、そのお客さまだけの『生活行動』があります。どんな職業や生活をしていて、どんなきっかけであなたのEコマースサイトに出会うのか?詳細な生活パターンを想定し、ストーリーにしてみましょう。
想像しやすいのは、自分の親しい友人・家族や『過去の自分』などです。詳細な生活行動を思い浮かべてストーリーを作成してみましょう。
③『なぜ?』を深掘りする
『なぜ?』を繰り返すことで、あなただけのストーリーをヒントになります。『あなたはなぜこの商品を売りたいのか?『なぜ人はこの商品を欲しがるのか?』『なぜこのお客さまはあなたのECサイトに出会ったのか?』
これらの『なぜ?』を深掘りして、あなたの商品の強みやあなたのビジネスに対する動機を書き出してみましょう。
言語化することで、気づいていなかったあなたの商品の『強み』に気づくこともあります。
ストーリーテリング事例紹介
ストーリーテリングは、効果的に活用すれば絶大な効果を発揮します。ここでは個人経営や中小企業のビジネスでストーリーテリングをうまく取り入れ、成功している事例を紹介していきます。
北欧、暮らしの道具店
北欧スタイルの生活雑貨を取り扱うEコマースサイト、『北欧、暮らしの道具店』は、商品の物語を語る『メディアサイト』としての機能もあります。
ページ内では全てのコンテンツを文章で伝えており、商品価値を『機能』ではなく、『物語』として伝えていることが特徴的です。
他にもオリジナル短編ドラマを制作し、それぞれのお客さまにフィットした『暮らし』や『豊かさ』作りのサポートをしたい、というユニークなコンセプトで経営をしています。
奈良市のとんかつ店『まるかつ』
奈良市にあるとんかつ屋さん『まるかつ』には、近隣だけでなく、県外からも多くのお客さんがやってきます。その理由は、『無料食堂』、『県民割引』、『文字だけのチラシ』など、店長の人柄溢れるユニークなストーリーと施策です。
まるかつさんにはたくさんのエピソードがありますが、その一つは、お金がなくて困っている人に『いつでも無料』で食事を提供する『無料食堂』です。
この辺りは私の尊敬するフォーチュンファクトリー代表の 坂内さん(@FortuneFactory1)のツイートで詳しく紹介されています。
昨日の「ニッポンのミカタ」では紹介されなかったまるかつさんのエピソードをこちらで紹介しています。
エピソードがありすぎて、続編も予定しています。https://t.co/UZoE7RTeOd
— 坂内綾花(21) Ayaka Bannai / Fortune Factory inc. 代表取締役 (@FortuneFactory1) November 7, 2020
その他にも魅力的なエピソードがたくさんありますので、ぜひ参考にしてみて下さい!
Rossi&Rei
日本ではあまり知られていませんが、Rossi&Rei はイタリアの職人が作った帽子や鞄を販売しているEコマースサイトです。
なんと5万円以上もする無名ブランドの帽子が順調に売れています。
Rossi&Reiの創業者は、アメリカで有名ブランドの大量生産された商品に、お客さまが飽き始めていることを感じていました。また、お客さまは商品の裏側のストーリーや生産者の価値観に興味を持っていること気づき、故郷イタリアの職人がこだわりを持って作っている衣服をEコマースで売ろうと考えたのです。
サイトでは職人のこだわりの考えや価値観を、ドキュメンタリーのように『言葉』や『動画』で伝えています。
まとめ:ストーリーテリングでお客さまと繋がろう
ストーリーテリングのメリット、Eコマースでストーリーテリングを活かすためのポイントを実例を交えて解説してきました。
紹介した事例全てにおいて共通しているのは、お客さまと感情を介して『繋がる』ということです。
再度、ストーリーテリングを活かすコツをまとめると、以下になります。
- お客さまの声を聴く
- 『1人』と徹底的に向かい合う
- 『なぜ?』を深掘りする
この記事を読んで、ストーリーテリングを活用したEコマースに興味を持たれた方は、以下の記事もぜひ参考にしてみて下さいね。
ストーリーテリングを活かしてEコマースビジネスを始めてみたいと思った方、Shopifyは『ストーリーを語る』ために最適のEコマースプラットフォームです。始め方を具体的に知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照下さい!
コメント